腹が減っては戦はできぬ
【緊急クエスト】オロミドロの討伐
奴は地中に潜り込む巨大な海竜種。特徴的な太長い尻尾を自由自在に振り回し、叩きつけ薙ぎ払い等多種多様の攻撃を仕掛ける。地形を生かして作り出す泥の攻撃は足場を奪われるだけでなく、近づく事さえも許されない。足元ばかりに気を取られていれば恐怖の怪尾に、汚泥の波に飲み込まれていく。
俺たちは気づけば担架の上だ。
この憎たらしいオロミドロ討伐の為、私は動いた。
今日は狩人『にん♡にく』が相棒毒妖笛ヒルヴゲーレを担ぎ、完全勝利を目指す為の物語。
だが、奴はどんな手を使ってくるか分からない。
最強武器を手にしたとしても、防御に徹した立ち回りでも、死へのルートは免れないだろう。
ここで私は、スキルやアイテムで更なる強化を図ることにした。
まず、何よりHPは多ければ多いほど有利。
防具屋で村一番の最高体力を誇る装備が売られていた。
通称【レキシキザメSメイル】。
この素材で大丈夫?と耐久性が不安だが、この背中に描かれた黄色い文字が、私の眠った負けん気を、魂を叩き起こす。
黒に黄色の大好きな組み合わせ、とてもテンションが上がる。
次に、狩猟中の体調管理である。オロミドロ討伐は非常に大きなミッションであり、どれほど時間がかかるのか分からない。万が一スタミナが切れてしまえば奴に大きな隙を与えてしまう事になる。常に携帯食料は持ち歩いているものの、士気向上も兼ねて出発前にウマい飯を食って行くことが大事だ。
文字通り腹が減っては戦はできぬからである。
そこで私は団子まみれのこの村から抜け出した。
向かう先は、ココ。そう!
この一杯を食わずしてどぅする。
食わずして戦に行けるものか。
『腹が減っては』ではない。
『歴史を刻まなくては』が正解である。
汁なし300g アブラマシマシ他全マシ チーズ
上手に出来ました~
と聞こえてきそうなくらい、映えた画像だ。
丼の淵から顔を覗かせているアブラ君につい涎が出る。
器からはみ出す盛り盛りヤサイと巨大ブタ。
天から降り注ぐフライドオニオン、ブラックペッパー、ニンニク。
任天堂の某有名ソフト風に表現すると『食いきれ!盛り盛りの森』である。
着麺後、カメラでさっと記録してから何よりも先にアブラをズズっと。
(ここは食前酒を想像してほしい。一番大事。)
うぉん!体内から溢れるエネルギーに身体が耐えきれなくなる。
震える右手、抑える左手、落ち着け私。
カエシが麺にへばりつき、濃厚でドロドロな味わい。
更にはチーズと手を繋ぎだし、脳が「これだ!」と勝手に答えを出す。
前回は久々の汁アリだっただけに、より一層ジャンクを感じさせてくれる。
※前回俺はは豚になっていた為、あまり報告できていませんでした。
あぁウマい!ウマすぎる!
ウーマ!ウーマ!ウーマ!
あっという間にペロリ。
ここ最近で一番感動した一杯だった。
おっと、忘れちゃいけない。
食事を楽しんでる場合じゃないぞ。
ここから私は狩りに行くのだから。
最強防具を装備、最強飯を食したカリピストハンター『にん♡にく』。
オロミドロ討伐の為、今日も明日も喰らい闘う。